父の葬儀での言動を思い出すだけで、今でも腹が立って仕方ない。母が交通事故で亡くなったその日、十年ぶりに顔を出した父は、涙の一滴も見せずに「大きくなったな」と笑っていた。
葬儀の後の食事の席で、父は突然「四人で暮らさないか」と言い出した。私は夫と結婚しているのに、隣に夫が座っているのに、そんな提案を平気でしてのけた。夫が「僕が一緒にいますから」と助け舟を出した瞬間、父の顔色が変わった。
「せっかく誘ってやったのに。きっと母さんと暮らしたせいで染みついたんだな」
母を悪者扱いするその言葉に、私は凍りついた。
そして一ヶ月後、今度は夫が交通事故で亡くなった。葬儀に現れた父は、また同じことを言った。「一緒に住もう」。
私は逃げ出したくなった。でも、その後に知った真実が、すべてをひっくり返すことになるなんて、その時はまだ知らなかった。



