娘の誕生日会で、張り切って作った料理が全て床に叩きつけられたような状態になっていた。原因は私の義母。でも、文句を言おうと振り返った瞬間、義母の後ろに鬼のような形相で立っている人物がいた。「あなた、何をしているの?」その声を聞いた義母は、真っ青になって震え始めた。実は今日の誕生日会には、義母が「煮物なんて誕生日のメニューじゃない」と馬鹿にした料理を作ってくれた、私にとって大切な人が来るはずだっ…

娘の誕生日会で、張り切って作った料理が全て床に叩きつけられたような状態になっていた。原因は私の義母。でも、文句を言おうと振り返った瞬間、義母の後ろに鬼のような形相で立っている人物がいた。「あなた、何をしているの?」その声を聞いた義母は、真っ青になって震え始めた。実は今日の誕生日会には、義母が「煮物なんて誕生日のメニューじゃない」と馬鹿にした料理を作ってくれた、私にとって大切な人が来るはずだっ...

「残念ね。お料理が全部台無しだわ。」

娘の誕生日会の当日、私は朝から張り切って準備をしていた。パートの休みをもらい、ユナの好きなメニューを何品も作り、部屋には飾り付けまでした。机の上に並べた料理を見て、今からユナが喜ぶ顔を思い浮かべていた。

ところが、和室の方から大きな音がした。お皿が何枚も落ちるような音だ。嫌な予感がして小走りに戻ると、義母がニヤニヤしながら和室から出てくるところだった。

「残念ね。お料理が全部台無しだわ。」

義母は、プレゼントを置こうとしたら折りたたみ机が突然倒れて、慌てて支えようとした拍子に隣の机にも当たって全部落ちてしまったと言い訳した。和室の中はめちゃくちゃで、机は二つとも倒れ、料理がすべて畳の上にひっくり返っていた。

私は怒りで頭が真っ白になった。義母は私に嫌がらせをするためなら、娘の誕生日会でも関係ないのか。そう思うと、もう我慢できなかった。

「何をしているの?」

その時、義母の後ろから聞き慣れた声がした。振り返ると、鬼のような形相の王じとが立っていた。髪の毛が逆立つほどの怒りようだった。

実は、今日は義両親だけがお客様ではなかった。私のパート先のスーパーによく買い物に来る王じとも誕生日会に招いていたのだ。ケーキを受け取った夫が車で迎えに行く手配になっていた。

そして、義母が「煮物なんて誕生日のメニューじゃない」と貶していた料理は、王じとが作ったものだった。ユナがお正月に食べさせてもらって以来、大好きな一品だ。ユナのためだと昨日から準備してくれて、王じとと同居する夫のおばが今朝届けてくれたのだ。

義母の話の途中から後ろで聞いていた王じとは大激怒だった。姑は義父にユナを連れて別の部屋に行くよう指示し、義母への説教を始めた。

後で聞いた話によると、義母は夫から見たおば、つまり義母にとっての兄嫁と折り合いが悪く、昔も嫌がらせをして陥れようとしたことがあったらしい。

「まだそんなことをしているのか」と声を荒げる王じとに、義母は怯えながら私を指さした。

「嫁が悪いの。この子が何も私の言うことを聞かないんです。」

私は義母が自分のしたことを認めたことに驚いたが、もっと驚いたのは夫だろう。母が他人に嫌がらせをするなんて信じられない様子で、王じとの話を聞いていた。

王じとは義母を子供を叱るように一括した。

「いい加減にしなさい。私はあなたに言うことを聞けなんて言ったことはない。価値観を嫁に押し付けるな。」

普段優しい王じとがこんなにも怒るところを見るのは初めてだった。義母は震えながら小さくなっていく。

しばらく説教が続いたが、夫がケーキの箱を冷蔵庫に入れると、王じとは一つため息をついて話を切り上げた。そして、私たちに王じとと義母を残して外食に行くよう言い、お金を渡してくれた。ユナの好きなお店で誕生日会を仕切り直すためだ。

予定とは違ってしまったが、ユナは大好きなファミレスで義父に自分がおすすめのジュースを飲んでもらい、楽しそうに食事を終えた。そして、こちらも楽しみにしていたケーキを食べようと自宅に帰った。

私は片付けがどうなったかドキドキしていたが、和室は王じとの監視のもと、義母によってすっかり片付けられていた。義母は私たちがいなくなった後、こってり絞られたのか、床に手をついて号泣しながら謝罪してきた。

だからといって今日の出来事が帳消しになるわけではないが、私は胸がすくのを感じた。ユナは皆でケーキを食べようと誘ったが、王じとはそれを辞退して義両親を連れて帰っていった。

義両親は来た時と同じく大荷物で、どうやら義母の料理はもちろん、ダメにしてしまった私の料理も袋に片付けて持ち帰ったらしい。おそらくは王じとの言いつけだろうが、義母は両手に持ったゴミ袋の重みをどう感じただろうか。

その後、義父から畳のクリーニング代と改めての謝罪があった。義母が夫の弟嫁にも嫌がらせをしていたことがわかったのだ。次々と発覚する内容と言い訳ばかりの義母に、義父は離婚を言い渡したらしい。まだ成立はしていないが、義母は姉が継いだという自分の実家に返されている。

私たちは後日、王じとのところへお礼と巻き込んでしまったことへの謝罪に出向いた。王じとはお土産にと美味しい煮物を持たせてくれて、「小山孫を守れる強い人になりなさい」と私たち夫婦を激励した。

実は以前からユナに子供部屋を作ってあげたくて、私たちは引っ越し先の物件を探している最中だ。引っ越しが決まれば王じとに会う頻度も減るだろうし、義母に至ってはもう会うこともないかもしれない。でも、人の気持ちを考えることの大切さを、これからもユナに教え続けていこうと思う。

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