今、夫が当たり前のように「離婚してくれ」と言ってきた。相手は兄嫁だった。
「俺の子供を妊娠した。責任を取る」
夫はそう言って、笑っていた。運命だとか、本物の愛だとか、格好いい言葉ばかり並べる。私は目の前が真っ暗になった。3人の子供がいるのに、養育費すら「1. 5人分でいい」と言い放ったのだ。
私は兄に連絡した。ところが兄は「夫が来て、一緒に酒を飲んで楽しく帰ったよ」と言う。兄は妻の妊娠を喜び、夫と乾杯までしていたという。夫は兄に「自分の子だ」とは言わず、そのまま流れに任せていたのだ。
翌日、私は義姉に会いに行った。誰の子か問うと、義姉は「夫の子に決まっている」と涼しい顔で言う。夫の妄想だとも言われた。DNA鑑定をすると、夫の子ではないと結果が出た。私は混乱しながらも、夫は嘘をつける人間じゃないと信じたかった。
夫は兄に真実を打ち明けに行った。すると兄は激怒したが、夫は「自分の背中の火傷の跡は見た」と言い放った。義姉との関係を決定的に示す言葉だった。兄は最終的にDNA鑑定を受けることを決めた。
結果は、兄の子でもなかった。そして、夫と兄は同じY染色体を持つ。お腹の子が男の子なら、父親は二人のどちらかになるはずなのに、二人とも違った。
つまり、残る可能性はひとつだけ。夫と兄の父親、つまり私の義父だということになる。
「キモい。信じられない」
兄も私も震えた。義父は60歳を超えている。義姉に追求すると、彼女はついに白状した。
「不妊治療が辛くて、あなたたち3人が相手なら、どれか当たると思ったの」
義姉は平然とそう言った。夫にも義父にも手を出した。そして、私が3人の子供を産んだのが「嫌がらせ」だと言い放った。
「私はあんたの泣き顔を見たかったのよ」
義姉はそう笑った。私は怒りで体が震えた。義姉はどこまでも冷酷だった。実家に逃げ込み、出産直前まで働きながら、慰謝料を支払うために地獄のような日々を送っているという。夫は私に戻りたいと懇願してきたが、そんな父親はいらないと突き放した。
慰謝料は、義姉が500万、夫と義父がそれぞれ300万。義母は夫を捨て、私は子供たちと実家に戻った。壊された家庭を取り戻すことはできない。それでも、笑っているママを子供たちの記憶に刻んでいきたい。



