義母に毎月30万円を仕送りしてきた私。離婚を切り出すと義母は「お金だけは今まで通り送ってくれるわよね?」と笑った――私は何も言わず離婚届を置いて家を出た翌日、義実家全員が顔面蒼白になった
第2部 翌朝、私はホテルの小さな部屋で目を覚ました。 時計は午前5時。 以前なら、この時間にはもう義母の朝食を作っていた。 夫の弁当を準備し、家の掃除をし、誰かの機嫌を損ねないように一日を始めていた。 でも今は違う。 誰にも命令されない。 誰にも謝らなくていい。 私は温かいコーヒーを飲みながら、机の上に広げた書類を見つめた。 そこには、5年間積み重ねてきた証拠が並んでいる。 健一と直子の旅行記録。 会社経費として処理された不自然な領収書。 義母の口座への送金履歴。 そして、決定的だったのは会社のお金が私的な目的で使われていた証拠だった。 私は社長として会社を守らなければならなかった。 父が命をかけて築いた会社。 そこで働く社員たち。 彼らを守ることだけが、私が耐えてきた理由だった。 健一と結婚した頃、彼は優しい人だった。 父も彼を信頼していた。 「この会社を一緒に守ってくれる人だ」 父はそう思っていた。 でも、父が亡くなり私が社長になってから、健一は変わった。 役員という肩書だけを持ち、実際にはほとんど仕事をしない。 それでも外では「自分が会社を支えている」と言い続けた。 そして家では私に言った。 「俺の親を支えるのは妻の役目だろ」 私は何年も我慢した。 会社の信用を守るため。 社員を守るため。 でも、彼らはその優しさを利用した。 午前9時。 田中先生から連絡が来た。 「準備は完了しました」 私は深く息を吐いた。 「お願いします」 午前10時。 銀行が動いた。 健一の会社用カードは停止され、経費使用の調査が開始された。 さらに、私が連帯保証人になっていた住宅リフォームローンについても、正式な手続きが進められた。 5年前、義母と健一は私に保証人になるよう迫った。 「署名しなければ会社が潰れるぞ」 そう脅された。 私は会社を守るため、震える手で署名した。 しかし、その後5年間、私は必死で借金を減らし続けた。 そして今、ようやく保証人から外れる準備が整った。 その日の午前中、健一から何十件もの着信が入った。 私は一度だけ電話に出た。 「お前、カードを止めたな?」 怒りに震えた声だった。 「俺は役員だぞ」 私は静かに答えた。 「役員としての仕事をしていない人に、会社のお金を自由に使う権利はありません」 「何を言っているんだ!」 「直子さんとの旅行費用、ブランド品の購入、全て証拠があります」 … Read more