結婚式の最中、義父になるはずの人から突然ビールを浴びせられました。「エリート一家の式に中卒の底辺が来るんじゃねえ」と、私の目の前で言い放ったのです。私は中卒ですが、妹を大学に行かせるために働いてきました。その妹が結婚する晴れ姿を見たかっただけなのに、義父も婚約者も私を「厄介者」としか見てくれませんでした。仕方なく式場を出た翌日、今度は義父から泣きながら電話が来て「お前のせいで出世がパアだ」と…

結婚式の最中、義父になるはずの人から突然ビールを浴びせられました。「エリート一家の式に中卒の底辺が来るんじゃねえ」と、私の目の前で言い放ったのです。私は中卒ですが、妹を大学に行かせるために働いてきました。その妹が結婚する晴れ姿を見たかっただけなのに、義父も婚約者も私を「厄介者」としか見てくれませんでした。仕方なく式場を出た翌日、今度は義父から泣きながら電話が来て「お前のせいで出世がパアだ」と...

「太田さん、どうしてこんなことをしたんですか?」
「おい、どうして俺の連絡先を知ってるんだ?」
「波から聞きました。どうしても確認したいことがあったので」
「確認することなんて何もないだろう」
「ありますよ。いきなりビールをぶっかけられたんですから。説明してください」
「お前みたいなもんが式に来てるのが我慢ならなかったんだよ」
「何ですって?」
「エリート一家の結婚式に底辺が来るんじゃねえ。目が覚めたのなら消えろ」

私は妹・波の結婚式に出席していた。ところが、義理の父になる太田さんに突然ビールをかけられ、トイレの個室に追いやられていた。太田さんは私に帰れと言い張る。私は中卒で小さな会社に勤めているが、真面目に働いてきた。それなのに、彼は「中卒の底辺」「恥をかく」と繰り返した。

「あなたの思う通りには絶対にしませんから」

そう言って私は彼の話を断った。その後、波と電話で話した。彼女は私の気持ちを理解してくれていた。私が彼女を大学に行かせるために働いてきたことも、今の仕事が楽しいと思っていることも。波は幸せそうだった。「お姉ちゃんも早く結婚してね」と言われたが、私にはまだその余裕はなかった。

式が進む中、私は達也に直接頼んだ。太田さんを説得してほしいと。しかし達也は言った。
「父が間違ってると思えないのに、どうやって説得しろと言うんですか?」
「あなたもそういう考えってことね」
「そうです。中卒なんてろくでもないと思ってます。そんな人間が波の姉でいてほしくないです」

彼は太田さんと同じ考えだった。私は諦めかけたが、それでも波の晴れ姿を見たいと思っていた。しかし太田さんはこう言い放った。
「結婚ってのは親族同士の繋がりを作るものでもあるんだ。お前のようなろくでもない奴が家族にいるとなれば、結婚をなしにするのもありだと思ってるよ」

さらには、私の両親のことを「飲酒運転の事故で亡くなったのは実力のうちだ。ろくでもない親だ」と侮辱した。私は我慢の限界だった。
「私のことを何と言われてもいいです。ですけど、親のことを悪く言うのはやめてください」
「事実じゃないか」
「事故ですよ。あの2人は何1つ悪くありません」

それでも太田さんは引き下がらない。結婚をなしにすると、達也は私の命令なら何でも聞くと言う。妹の人生を壊さないためには、私が身を引くしかない。私は言った。
「私がここから帰ればいいんですね」
「ああ、そうだ」
「じゃあ、帰ります」
「2度とつらを見せるな」

私は式場を去った。

3時間後、波が太田さんに詰め寄った。私がビールをかけられ、追い出されたことを知ったのだ。
「お姉ちゃんは私のために進学を諦めて働いてくれたの。両親が亡くなって、誰かが働かないと生活できなかった。だからお姉ちゃんが就職して私を養ってくれたのよ」
「だとしても中卒だということには変わりない」
「だから何?中卒だとしても、私にとっては大切な家族であることに変わりはないわ」

太田さんはさらに「姉を排除したのは君のためだ」「あんな女は今すぐ縁を切った方がいい」と主張した。しかし波は決意を固めていた。
「私はあなたと家族にはなりたくないと言ってるんですよ」

太田さんは「とんでもない女だな。さすがはあいつの妹だ」と吐き捨て、波はこう返した。
「ありがとうございます。それは最高の褒め言葉ですよ」

翌日、太田さんから電話がかかってきた。泣き声だった。
「お前のせいで、こっちは追い込まれてるんだぞ」
「何が大変なんですか?立派に息子さんが式をあげて順風満帆でしょ」
「お前のせいで取引が白紙に戻されたんだ」

なんと太田さんが相談していた相手が、私が長年お世話になっている篠塚社長の会社だったのだ。私が結婚式で起こったことを正直に社長に話したことで、彼の失敗が上層部に伝わってしまった。彼は激怒し、「妹と達也の婚約を破棄すると言ってるんだ。それが嫌なら、謝罪して篠塚社長に考え直すよう説得しろ」と脅してきた。

しかし私はもう怯えなかった。
「波からはもう結婚は考え直すと言われてますよ。だからそんな脅しは私に通用しません」

太田さんはさらに私を貶めようと、父に嘘を教えた。私が今の会社に就職したのは「体を使ったからだ」と。そんな嘘が通じるわけがない。私は彼に問い詰めた。
「その嘘は、もう波に伝えたわ。波はあなたに愛想を尽かして、婚約を解消したのよ」

実は、達也もまた太田さんと同じことを考えていた。波が私のことを常に考えているのが邪魔だったのだ。だから彼は太田さんを利用して私を追い出そうとした。しかし、それは逆効果だった。波は達也の本性に気づき、婚約を解消したのだ。

1ヶ月後、達也から連絡が来た。私は彼をブロックしていたが、彼が波の職場や以前住んでいた家の前で待ち伏せしていると聞いて、連絡せざるを得なかった。
「これ以上何をしても関係が戻ることはないわ。波はもう会社を辞めて、私のマンションで一緒に暮らしてるの」
「俺には波しかいないんだ。邪魔をするな」
「あんたの脅しに屈するつもりはないわ。波は私のたった1人の家族なの。私は波を守り続ける」

私は警察に被害届を出し、接近禁止命令を出してもらうことにした。それを伝えると、達也は「そんなことになったのか」と驚いていた。私は言った。
「2度と私たちにその姿を見せないで」

それから、達也は私たちの前に現れることはなかった。しかし、結婚できなかった怒りを父親に向けてしまったらしい。家で太田さんに殴りかかり、怪我を負わせた。警察沙汰になり、太田さんとは絶縁。家族をすべて失い、仕事にも行かなくなり、今は街中を彷徨っているようだ。

太田さんは例の取引の失敗で出世レースから外れ、代わりに高卒の後輩社員が出世したという。肩書きや学歴が、仕事の出来や出世には関係ないことを証明した形だ。

今、私は波と2人で暮らしている。波は新しい職場を見つけ、前を向いて頑張っている。家族を失った時も、こうして2人で支え合ってきた。私たちなら、どんな困難でも乗り越えていける。再び波が幸せをつかむ日が来ることを、心から願っている。

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